約2ヶ月。図面と向き合い、木と向き合い、一つひとつのパーツを積み重ねてきた改良型織り機。納品日和とも言える清々しい晴れた日に、あざみ屋様へお届けしてきました!

改良型織り機の納品|あざみ屋様へ

織り機は分解した状態でトラックに積み込みます。パーツ一つひとつが大きく搬入にも神経を使うので、養生をしっかりして、いざ出発。この日は、天気もよく、清々しい納品日和。
今回の改良型織り機は、株式会社あざみ屋様、沖縄県商工労働部工業技術センター様との協働プロジェクトとの製作部門として携わらせていただきました。織り子さんの身体的な負担を軽減、織りの効率化をするために、従来の織り機に改良を加えた一台です。
現場での組み立てと微調整|果たして図面どおりに仕上がるのか…?


現場に到着し、早速組み立て開始。理論上、図面上では織ることが可能なこの織り機が、実際に組み上がったときにちゃんと機能するのか。正直、ドキドキでした。
狂いがないように慎重にフレームを組み、各部の水平・垂直を確認しながら進めます。木と木の接合部分のわずかなズレも、織りの精度に直結します。

新しいギアパーツの取り付け|改良のポイント

今回の改良の要となるのが、新しいギアパーツです。織り子さんが巻き取りがラクにできるよう、従来よりもスムーズに動く機構を取り入れました。金属パーツと木のフレームの組み合わせは、強度と使い心地の両方から考えて持ち手を木で覆いました。

手が触れるハンドル部分は、握りやすさにこだわって丁寧に仕上げています。木の温かみを感じながら作業してもらえるように。金属と木の質感がかっこいい。無駄にガチャガチャとギアチェンジみたいに動かしたくなる機構です。
試し織り成功|改良型織り機が動いた瞬間

組み立て完了。新しいギアパーツも取り付け、なんとか形になりました。そしていよいよ、試し織り。


糸が張られ、筬が動き、赤い布が少しずつ織り上がっていく。その瞬間、2ヶ月分の緊張がふっと解けました。無事に織ることができて一安心。理論と図面が、ちゃんと「動く道具」になった瞬間でした!ものづくりをしていて一番嬉しい瞬間です。

織り子さんたちが実際に使ってみて、織りの効率などがどう変わるか。これからの声が、次の改良へのヒントになります。
ひとまずは完成したものの、これが絶対的な正解ではないので、更なる効率化や使用性の向上を目指して協働製作していけたら嬉しいです。
宮良木工所が伝統工芸の道具づくりに込める想い

私たちは、ただ木を加工しているわけではありません。
伝統工芸を支える道具をつくることは、その文化を次の世代へ繋ぐことだと考えています。続いてきた大切な島の文化を止める事なく、永続的に残していく、残していきたいという想いは、島で生まれ育ってきた私たちの使命でもあると考えています。
織り子さんが少しでも楽に、少しでも長く織り続けられるように。そして、たくさんの人に石垣島の文化を手にしていただき、記憶に、生活に残る八重山を感じていただけたらという思いです。
あざみ屋様、沖縄県商工労働部工業技術センター様との協働で生まれたこの一台が、八重山の織物文化の未来に貢献できれば幸いです。

